今日の東京湾は、北風が一日中ハンパに残る展開でした。瞬間11.6m/sが吹き、船は終始グラグラ。それでも回遊魚組は止まりませんでした。マアジとタチウオは湾奥から三浦半島まで広く数が出ており、風に負けなかった船が数を伸ばしています。一方で、風の影響をまともに受けたのがサワラとマダコ。跳ねが見えない、乗りが続かないという現場の声が両方の船から上がりました。「回遊魚は好調、目と手感の釣りは苦戦」——これが今日の東京湾を貫いた一本の線です。
平均4.3m/sという数字だけ見れば穏やかですが、最大瞬間11.6m/sが実態を語っています。北風の突風が断続的に入り、船が安定しない時間帯が長く続きました。波高0.98mは「乗れるが揺れる」ライン。ジギングやテンヤなど、船の上下動が直接仕掛けに伝わる釣りには不利な条件でした。
潮回りは小潮。流れが緩い日は一般に食いが落ちますが、今日のマアジ・タチウオの数字を見る限り、湾内のベイト量がそれを補っています。水温23.8℃は9月中旬として標準的で、まだ夏の高活性を引きずる水準。ただしえさ政釣船店の船長が「海水温が秋の感じになった」と記しており、体感的には確実に季節が進んでいます。この水温帯はマアジ・タチウオ・シロギスがいずれも動く、年間で最も釣り物が多い時期です。逆にマダコは水温低下に伴って深場へ散り始める段階で、今日の苦戦もその流れの中にあります。
現場の声
今日は風の悪影響を具体的に語る船長コメントが複数届きました。まず羽田のかみや。マダコ船は船中合計32杯、トップ6杯が2名という結果でしたが、その過程が苦しいものでした。
近場周辺からスタートし開始早々に対面できたが、次に乗るまでの間が長くポツンポツン状態。前半はじっくり我慢の作戦に。昼前に全員が顔を見たので後半は大きく移動したが、風がハンパに吹いてグラグラ。根掛かりも多く、狙っていたポイントは諦めて風影側へ回った。トップ6杯が2人。
マダコ釣りは船が風で流されると仕掛けが底を切ってしまい、乗りを感じ取れなくなります。「根掛かりが多い」というのは、船の動きが不規則で仕掛けのコントロールが効かなかった証拠。本来狙いたいポイントを諦めて風影に移ったという判断が、今日の数字の上限を決めました。9月14日には同船で船中70杯が出ていますから、ポテンシャルは十分あるのに条件が許さなかった一日です。
序盤、昨日の場所から開始するとベイト反応はいっぱいだがヒットなし。僚船は順調にヒットありとのことで、当て換えや大きな流しを繰り返したがさっぱり。中盤はサワラの跳ねを探して海の悪い中を回ったが、今日は全然跳ねてくれず。終盤に何とか型は見たが、しょんぼり丸で帰港。
キャスティングのサワラは「跳ね」つまり水面のナブラを目視で探す釣りです。波0.98mで白波が立つ状況では、跳ねが波に紛れて見つけられません。ベイト反応があるのに食わないという状況も、サワラが水面に出てこず中層以下に沈んでいたことを示唆します。風と波が、魚がいるのに釣れないという最も歯がゆい形で釣果を削った例でした。
魚種別コンディション
マアジ
爆釣竿頭99本はアジとして爆釣の水準です。中山丸は9月16日も竿頭99本、13日も99本と、今週を通して安定した数字を叩き出しており、川崎沖のアジ付き場が完全に固まっていることがわかります。サイズは16〜28cmの中小型主体で、数を稼ぐ釣り。一方、三浦半島東の石川丸は竿頭34本ながら21〜35cmと型がよく、東京湾のアジは「湾奥で数、湾口で型」という明確な棲み分けを見せています。
タチウオ
爆釣竿頭45本はタチウオの基準(20本以上で爆釣)を倍以上上回る数字です。吉久は16日の竿頭29本から45本へ大きく伸ばし、最大121cmのドラゴン級も記録。富津のひらの丸は竿頭28本ながら最大123cmと、本日の最長寸を出しました。7船宿のうち5船宿が竿頭15本以上と、湾全体でタチウオの群れが濃く入っている状態。水温23.8℃はタチウオの適水温ど真ん中で、この好調は月末まで続く公算が大きいところです。
シロギス
好調竿頭77本はキスとして好調圏。ただし同じ長崎屋は9月15日に竿頭189本、14日に117本を叩き出しており、週間比では明らかに数を落としました。原因は北風による船の揺れと小潮の緩い流れ。キスは仕掛けを底で安定させてこそ数が伸びる釣りで、今日の海況では手数が稼げませんでした。須原屋も竿頭65本ながら下位は5本と、腕とタナ取りの差が出た一日です。
マダコ
やや渋い竿頭6杯はマダコの基準では「好調」の下限ですが、かみやが14日に船中70杯を挙げていたことを踏まえると明確な後退です。船長コメントどおり、風で船が流されて仕掛けが底を叩けなかったことが最大の要因。水温が秋に向かい始め、タコが徐々に深場へ移動する時期でもあり、この先は近場の数釣りから型狙いへ切り替わっていく段階に入ります。
サワラ
厳しい4船宿が出船して竿頭3本という結果は、今週で最も低い水準です。深川吉野屋は13日に船中29本を記録していたのに対し、今日は船中8本まで落ち込みました。さわ浦丸の船長が「跳ねが全然見えない」と語ったとおり、波で水面の変化が読めなかったことが決定打。魚がいないのではなく、探せなかった日です。凪が戻れば数字は即座に回復するとみています。
カワハギ
やや渋い竿頭8本はカワハギとしてはまずまずの手前。えさ政釣船店は15日の竿頭7本、13日の5本から微増しており、シーズン序盤としては順調な伸びです。船長は「水面バラしや巻き途中のバレが多かったのが残念」とコメント。波の揺れで竿先が動き、口の小さいカワハギがフッキングを外したという典型的なパターンでした。凪ならもう数本は上乗せできていた計算になります。
船宿スコアボード
| 船宿 | マアジ | タチウオ | シロギス | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 中山丸(川崎) | 竿頭99 | 竿頭43 | — | — |
| 吉久(浦安) | — | 竿頭45 | — | サワラ竿頭2 |
| 長崎屋(横浜) | — | — | 竿頭77 | マダコ竿頭4 |
| 須原屋(東葛西) | 竿頭15 | — | 竿頭65 | — |
| 金沢八景 黒川丸 | 竿頭8 | 竿頭31 | — | — |
| ひらの丸(富津) | — | 竿頭28(最大123cm) | — | — |
| 深川吉野屋 | — | 竿頭21 | — | サワラ船中8 |
| つり幸(横浜) | 竿頭34 | — | 竿頭49 | サワラ竿頭3 |
| 石川丸(三浦東) | 竿頭34(〜35cm) | 竿頭15 | — | — |
| 鴨下丸(本牧) | — | 竿頭19 | — | — |
| 房丸(鴨居大室) | 竿頭20(〜33cm) | — | — | — |
| かみや(羽田) | — | — | — | マダコ竿頭6・船中32 |
MVP: 本日最も好成績を収めた船宿
MVPは迷いなく中山丸です。マアジ99本とタチウオ43本を同日に成立させた船は他になく、川崎沖という湾中央部のポジションを最大限に活かしました。数だけなら吉久のタチウオ45本が湾内最高値で、ここは実質同着と言っていい内容。サイズ狙いならひらの丸の123cm、石川丸の35cmアジが光ります。「数の湾奥・湾中央」「型の湾口」という構図が、今日はっきり見えました。
明日と今後7日間の予報
明日19日(土)は風最大9.6m/s、波0.76m、小潮。波は今日より落ち着きますが、風はまだ残り、降水確率95%と雨の一日になります。出船自体は多くの船で可能な見込みで、判定は○まずまず。雨は魚の活性にはさほど影響しませんが、視認性を要するサワラキャスティングは今日に続いて厳しい戦いになりそうです。数狙いのアジ・タチウオなら十分に釣りになります。
問題は日曜から月曜です。20日(日)は波1.38m、降水100%。21日(月)は風最大21.7m/s、波1.46mと、台風の接近を思わせる荒天予報。かみやの船長も「21日は台風最接近で全船出船を見合わせ」と明言しており、この2日間は実質的に釣り不能とみるべきです。
そして22日(火)から風が一気に緩みます。22日は風4.9m/s・波0.58m、23日(水)は風4.8m/s・波0.26mと絶好の凪。潮も中潮から24日(木)の大潮へと動き出します。荒天後の凪+大潮回りは、東京湾で最も期待値の高い組み合わせです。
| 日付 | 気温 | 風 | 波 | 潮 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9/19(土) | 22.3〜23.8℃ | 9.6m/s | 0.76m | 小潮 | ○まずまず |
| 9/20(日) | 23.9〜27.2℃ | 9.7m/s | 1.38m | 長潮 | △要注意 |
| 9/21(月) | 25.2〜28.2℃ | 21.7m/s | 1.46m | 若潮 | △要注意 |
| 9/22(火) | 22.2〜29.3℃ | 4.9m/s | 0.58m | 中潮 | ◎釣り日和 |
| 9/23(水) | 21.2〜24.3℃ | 4.8m/s | 0.26m | 中潮 | ◎釣り日和 |
| 9/24(木) | 22.3〜26.1℃ | 5.1m/s | 0.32m | 大潮 | ◎釣り日和 |
次の釣行プラン
おすすめ: 9月23日(水) × タチウオ
風4.8m/s・波0.26mという、この1週間で最高の凪予報。中潮で潮も適度に動きます。台風通過後は湾内の水が攪拌され、一時的にベイトが固まる傾向があり、タチウオは荒天明けに強い魚種です。今日すでに7船宿で二桁竿頭が出ている好調さを考えれば、凪+中潮の23日は本命日と言っていいでしょう。竿頭45本の吉久、最大123cmを出したひらの丸のいずれも狙い目です。
次点: 9月24日(木) × シロギス・マアジ
大潮で潮がしっかり動き、波0.32mの凪。今日は風で本領を発揮できなかったシロギスが、この日なら15日の189本級に戻る可能性があります。長崎屋のキス船、中山丸のアジ船が本命候補です。
様子見推奨: 9月20日(日)〜21日(月)
20日は波1.38m・降水100%、21日は風最大21.7m/s。特に21日は台風最接近で全船出船見合わせの見通しが船宿から出ています。無理な釣行は避け、火曜以降に振り替えるのが賢明です。予約済みの方は前日夕方の出船判断を必ず確認してください。